濃昼(ごきびる)の木村家番屋
浜益区の最南端、濃昼(ごきびる)地区の港近くに、人の目を引く造りの建物があります。
旧木村家の番屋です。推定だと明治時代の建築ではないかという…
普段は外観を見ることしかできないのですが、先日、内部公開をしているとの情報を知り、行ってきました。
こちらが入口。入って右側が親方の住居、左側が従業員たちのスペースになっています。
親方の住居はこんな感じ。
この建物、今から20年くらい前には予約制の食事処になっていました。そのためか、一部あまり古さを感じない部屋もありました。
こんなトイレ、初めて見ました!足を置くところがついてる!
そして、外観でもひと際目を引く八角形の部分の内部がこちらです。
建築当時はまだ大変珍しかった「応接間」とのこと。
床はタイルで靴のまま部屋に入る仕様です。なんて洒落た造りでしょう!しばらく見入ってしまいました。
この応接間からみた住居内部。
向こうの部屋は純和室。ひとつの建物に和と洋が隣り合う様子に、今でさえ興奮してしまうのだから、昔の人はなおさら目を見張ったのではないでしょうか。
ガラスのひとつひとつまで、じっくりと見たくなります。
こんなに素敵な建物を守ってくれていた会があったのを、この度初めて知りました。
この日「ごきびる番屋サポートの会」会長さんとお話することができました。これまで木村家番屋の歴史を調べたり、内部公開などの活動をしていたそうです。過去形になってしまうのは、今年度で会を解散する、内部公開もこれで終了となるからです。
こんなに素敵な建物なのに、もう公開できないなんて…。なにかできることは無いのだろうか?
聞けば、道内で洋風建築を取り入れた建物は、木村家番屋を除き3例しかないのだそうです。ほかの建物は文化財として維持されています。
浜益区内では過去に白鳥家番屋が復元され、今は郷土資料館になっています。どうしてもそちらにスポットが当たってしまうのですが、木村家番屋は白鳥家とまた違う趣があり、この建物を失ってしまうのはとても痛ましい気がします。昔の建築物は、なくなればもう取り返すことはできません。
しかし、老朽化は止まりません。かと言っていきなり大改修なんてこともできませんが、何もせずにいることもできません。
今すぐできるのは、この建物の存在を多くの人に知ってもらうこと、関心を持ってもらうこと。
小さくてもできることをしたいと思います。(渡辺)
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